一般社団法人青梅青年会議所
2026年度 理事長所信及び基本方針
理事長 芳野 隆広
【はじめに】
青梅市と奥多摩町は、豊かな自然と長い歴史、そして人と人との温かなつながりが息づく、私たちの誇れるまちです。四季折々の風景や伝統文化は、この地域で暮らす人々の心を育み、訪れる人々の心を惹きつけてきました。
「このまちが大好き」という気持ちは、地域の魅力を守り、新しい価値を生み出そうとする行動の原動力になります。好きだからこそ関わりたい、良くしたいと思う人が増えることで、まちは活気を取り戻し、未来への可能性が広がります。
また、挑戦するまちは変化を恐れず、新しいアイデアや取組みを生み出し続けられるようになります。そういった文化が根づくことで、地域には多様な人材と機会が集まり、次世代に引き継がれる活力が生まれます。
一般社団法人青梅青年会議所としてまちの魅力を次世代につなぎ、地域の人々が誇りと希望を持てる新しいまちづくりを進めていきます。「このまちをもっと好きになろう」という想いと共に、仲間と共に挑戦し続け、青梅市、奥多摩町の未来を共に描いていきます。
【つながりが育む地域の未来】
昨年5月、私は第一子を授かりました。その頃、両親学級に参加する機会があり、妊婦さんたちと交流する場がありました。参加者の方々と話をしていると、その半数近くが、妊娠や結婚を機に市外からこの地域に移り住んできた方々であることを知り、驚きました。中でも印象的だったのは、とある妊婦さんの言葉でした。「この地域は本当に素敵なところですね、温かい人も多いですね。」と、その方は、たまたま夫の住まいがこの地域だったからではなく、純粋にこの地域の自然や文化、人とのつながりに魅力を感じて、夫婦で引っ越しを決めたそうです。私はこの言葉に深く考えさせられました。私にとって当たり前だった地域の魅力を、外から来た人に改めて気づかせてもらったのです。この出来事を通じて私はこの地域に住んでいることを誇らしく思えるようになりました。
近年、日本各地では地域コミュニティの希薄化や人口の流出が大きな課題となっています。こうした問題は、地域活動や伝統文化の衰退、さらには治安の悪化や災害時の対応力の低下など、多方面にわたって影響を及ぼします。もし地域に暮らす私たち自身が、その魅力に気づかず無関心のままでいれば、こうした問題はますます深刻化してしまいます。
しかし、私が両親学級で感じたように、外から見れば私たちの地域にはまだまだ大きな魅力があります。こうした魅力を市内外の人々に気づき、そして体感してもらうことで、この地域はさらに盛り上がる可能性があります。
そのためにも、私たち自身が地域の魅力に気づき直し、その思いを誰かと語り合い、共感の輪を広げていくことが大切です。そうした積み重ねにより、人と人とのつながりを生み、多くの人に感動を届けることが可能になります。
私たち一般社団法人青梅青年会議所は、これまでも地域の様々な団体と協力し、地域の魅力を発信する運動を行ってきました。地域の魅力を最大限に引き出していくためには、今まで以上にさらに世代や立場を超えて人と人がつながり、共感を生み、新しい挑戦へと歩みを進めることが必要です。
本年度、私たちは2026年度の運動の主軸として「地域につながりを生み出す運動」に取り組み、これを青梅市、奥多摩町の未来につなげてまいります。
【人と人のつながり、地域の循環】
科学技術の進歩により、私たちの暮らしは格段に便利になりました。近年、生活スタイルや価値観の多様化、人口減少や少子高齢化の進行に加え、SNSや動画配信サービスなどデジタル環境の普及によって、地域の人と人とが直接顔を合わせるつながりが希薄化しています。
青梅市では、500年の歴史を持つ青梅大祭をはじめ、梅まつりや塩船観音のつつじまつりなど、多くの祭りや地域行事が各地で開催されています。奥多摩町には、40を超える郷土芸能があり、地元の方々の努力と熱意によって今も大切に受け継がれています。
しかし、前述した地域のつながりの希薄化により、こうした祭りや地域行事の担い手不足、独居高齢者の孤立、町内会離れや世代間の分断などが進み、地域の一体感や活力が低下してきています。
このような状況を乗り越え、地域の活力を取り戻し、文化を未来に継承していくには、人と人とのつながりを見直すと同時に、地域資源を最大限に活用しながら、地域内で働き、生産し、消費する循環を築くことが重要です。
本年度、私たちは人と人がつながるための新たなコミュニティや仕組みを作るための地域住民を巻き込んだ事業を行ってまいります。
【挑戦と学びがつなげる確かな生きる力】
近年、青梅市、奥多摩町に暮らす青少年を取り巻く環境には大きな変化と課題が生じています。先にも述べたように地域のつながりが弱まっていることで青少年たちを地域で見守り育てる仕組みが揺らぎつつあります。またデジタル化の加速により、対面での関わりや実体験の機会が減少し、失敗や葛藤に向き合う挑戦の場が失われています。さらに、近年は大人が青少年を大切に思うあまり、過度に守りすぎてしまうこともあり、青少年が自ら挑戦し、失敗から学ぶ機会が少なくなっています。
青少年が大人になり、現実社会に入ってきた際、そこには努力が報われない理不尽さや、思いがけない失敗が日常的に存在します。そうした現実に初めて直面したとき、戸惑い、自信を失ってしまう若者も少なくありません。
だからこそ私たちは青少年と現実社会のつながる機会を作り、失敗は終わりではなく、学びの入口であることを伝える必要があります。地域での防災教育をはじめ、予測できない困難に備える学びも重ねながら、困難を乗り越えた先に次の新たな行動へとつなげる力を育むことが、確かな生きる力となります。
本年度、私たちは青少年と地域社会とをつなぐ接点や挑戦の機会をつくり、現実社会でも自らの意思で道を切り拓いていけるよう、確かな生きる力を育む運動を展開してまいります。
【物語と共感でつなぐ地域の魅力】
今では誰もがネット上で発信しなければ存在感が薄れてしまう時代となりました。一般社団法人青梅青年会議所においても、近年はSNSなどを活用して積極的に情報発信を行ってきました。しかし、青梅市や奥多摩町に広がる豊かな歴史や自然、人の温もりを等身大で伝え切るには、発信の量だけに頼っていては限界があります。
これからさらに地域の魅力を発信していくためには、単なる情報ではなく、物語と共感を軸に発信することで、人々の心を動かすことが不可欠です。共感を生む発信は、地域外の人々を惹きつけ、人と地域の間に愛着を育んでいきます。その愛着は、一度きりの訪問者を、何度も訪れるリピーターや継続的な支援者へと変えます。こうして観光や移住だけでなく、イベント参加や地域消費、情報発信、災害時の協力など、多様な形で関わる関係人口が生まれます。
さらに、一般社団法人青梅青年会議所の運動や思いについても発信することで、地域の魅力とともに私たちの運動に対しても共感を持った人を増やしていけるようになります。
本年度、私たちは青梅市と奥多摩町の魅力を共感が伴った物語として伝えるとともに自らの運動も発信し、地域の関係人口を増やしていくことを目指してまいります。
【対話と信頼、仲間の力の未来へのつながり】
会員拡大は、私たちの組織に新たな活力と可能性をもたらします。新しいメンバーは既存メンバーにとっても新たな視点や意欲をもたらし、良い刺激となり、互いに切磋琢磨しながら成長する機会となります。翌年に60周年を迎えるにあたり、今後さらに大きな運動を展開していくためにも、絶えず新しい風を取り入れ、組織に変化をもたらしていくことが不可欠です。
また青年会議所は地域開発運動を通じて課題解決や未来づくりを担うリーダーを育てる組織です。地域の可能性を広げる次世代のリーダーを生み出していくためにも会員拡大は重要です。
一方で、現代では家庭や仕事以外の場に身を置くことをためらう人が少なくありません。だからこそ私たちは、なぜ参加するのか、何を得られるのかという問いに対し、丁寧な対話を重ねながら共に考え、メンバー一人ひとりが主体的に関われる組織を目指しています。
そしてその答えは、私たちの行動理念である三信条「奉仕」「修練」「友情」に集約されています。これらは、地域への貢献、自らの成長、仲間との学びという青年会議所の本質を示すものであり、参加する意義や価値の根幹です。この理念に立ち返り、多様な価値観を受け入れながら対話を重ね、価値を共有していきます。その積み重ねが、心の通った会員拡大につながり、持続可能な組織の基盤となると確信しています。
また、毎年卒業生を送り出す私たちにとって、組織力の維持、強化は喫緊の課題です。一人ひとりが地域を動かす力を養い、挑戦を恐れずに行動する文化を育むことで、地域に根ざした存在であり続けられると信じています。
そして、会員拡大は一部の人に任せるのではなく、全メンバーが当事者として取り組むべき運動です。私たちは、全員で会員拡大を推進していきます。
【結びに】
私は2018年に一般社団法人青梅青年会議所に入会しました。初めて理事会をオブザーブしたとき、例会や事業について真剣に議論を交わす先輩方の姿に、その熱量と迫力で圧倒され、「自分はここまでやっていけるのだろうか」と萎縮してしまったことを覚えています。当時、そんな私を最前線で引っ張っていた委員長は、「JC運動は思いきり挑戦できて本当に楽しい。自分の成長につながる組織だ」と熱く語ってくれていました。
その後、私も青年会議所を続ける中で、次第にその言葉の意味が分かるようになりました。困難や迷いに直面したときに仲間が声をかけ、背中を押し、挑戦する勇気をくれました。私がこの組織で何よりも価値を感じているのは、この勇気づけの力です。勇気づけは単なる励ましではなく、自信と可能性を引き出す行為であり、人の行動を前向きに変える原動力です。この組織には自分の弱さをさらけ出しても受け止めてくれる関係性があります。青年会議所は、挑戦する人のそばに必ず仲間がいて、支え合い、高め合える場所なのだと実感するようになったのです。
気づけば私は、この地域に愛着を持つようになり、地域の課題解決に向けて挑戦することが出来るようになっていました。困難に直面しても支え合い、勇気づけ合い、共に可能性を切り開く仲間ができました。その中で、挑戦は新しい価値を生み出し、地域と自分自身を成長させる原動力だと確信するようになりました。
本年度のミッションには、そんな私の実体験が込められています。仲間と共に支え合い、一人ひとりの挑戦を大切にしながら、未来につながる一年を築いてまいります。
また59周年の本年度、私たちは先輩方が紡いだ歴史を胸に、60周年へ連なる新たな一歩を踏み出します。仲間と地域の未来を拓く挑戦を続けることをここに誓い、理事長所信の結びといたします。
【ビジョン(未来像)】
このまち大好き!みんなの挑戦がつくる新たなまち 青梅・奥多摩
【ミッション(使命)】
可能性を切り拓く!地域社会に新しい価値を生み出すリーダー集団
【バリュー(行動指針)】
対話 勇気づけ合い、高め合う
行動 信じる力で可能性を生み出す
共創 人との挑戦が大きな変化をもたらす
【スローガン】
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